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『なッ!?』
雀はここで始めて驚きの表情を見せた。そして意表を突かれた為、対応が遅れその腕を絡め取られてしまう。
『ほぅ、お前もそんな表情をするんだな』
『チッ!』
シグナムの言葉にすかさず雀はもう片方の手で反撃に出ようとするが
『そうはさせん!』
ザフィーラの鋼の軛により拘束されてしまう。
すかさずシャマルももう一度雀にバインドを今度は三重にかけ更に動きを封じる。
『今度こそ絶対離すなよ、シグナム!シャマル!ザフィーラ!』
『勿論よ!』
『無論だ!』
『今度は逃さん!』
ヴィータの言葉にシャマル、シグナム、ザフィーラの順で答えるとヴィータは薬莢を一つ、排出しブースターを蒸す。そして
『食らえぇぇぇぇぇ!!!』
《Explosion!》
愛機グラーフアイゼンを振りかざし雀に急接近し、もう一度ラケーテンハンマーを放つヴィータ。
雀は反射で眼を閉じ痛みに耐えようとするがいつまで経ってもその痛みはやってこない。
雀は不思議に思いつつ少しずつ眼を開けるとそこには騎士甲冑を解除した私服姿のヴィータが立っていた。
更に雀は訳が分からなくなり口を開こうとするがその前に一発ヴィータにはたかれた。そして
『これで終わりな』
とだけ言って立ち去るヴィータ。
それに続き他の3人も騎士甲冑を解除して立ち去っていく。
その様子に雀は怒りがこみ上げ
『・・・何のつもりだ』
と低く怒りの篭った声で四人に問いかけるが
『それはこっちの台詞だっつーの。ギガ手加減しやがって・・・』
『手加減・・・?』
雀の問いにヴィータが振り返りながらも呆れた顔で返し、雀は何が何だか分からないまま聞き返す。
『俺は一度も手加減なんて!『お前は無意識に手加減していた、その証拠に私達はまだ軽い火傷や打撲くらいで済んでいる』なッ・・・』
雀は手加減をしていないと弁解しようとするがシグナムの言葉を聞き自分があれだけ攻撃を入れてもまだ普通に立っている四人に、しかもシャマルには一度も攻撃を当ててない事に気付きその場に崩れ落ちる。
『・・・先にはやてちゃん家に帰ってるわね』
『お前も帰ってこないと主が悲しむ。早めに帰ってこい』
シャマルとザフィーラが一言ずつ雀に言うと四人の姿はその場から消えてしまった。
残された朱い小鳥はただ項垂れるがその手を硬く、血が出るほどに握り
『うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』
と天を向き絶叫したのだった。
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