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《何で正体をバラした!?》
《別にいいじゃない、むしろこれで本格的にサポートできるわ》
灯りもついてない暗い部屋の中、微かな怒鳴り声とめんどくさそうに返す声の二つが響いていた。
《それとこれとは話が別だ!ただでさえ監視されていた事を知ってしまった上に《ごめんなさいね、そろそろ行かないと怪しまれるから電話を切るわ》待て!話はおわ》
朱莉は半ば強引に通信を切ると端末を机の上に置き大きなため息をついた。
『何やってるんだろ・・・俺』
自らの手を血で汚し、戦い続ける運命を選んだというのになんてざまなのだろう。
雀はそう思いつつベッドの上へと仰向けに倒れこむ。
そして自分の手のひらを見つめながらシグナム達が言っていた言葉を思い出す。
「お前は無意識に手加減している」
そして次に思い出すのは四人の顔、悲しい、哀れな人を見る目・・・完全な同情の眼差し。
これが覚悟を決めた人間がすることか?
人を殺し、本当に非殺傷など知らないと言い張ったヤツが無意識の内に手加減?挙句の果てに戦いに負けた上同情の眼差しで見られる?笑いを通り越して心底呆れ果てる。
『・・・くそっ!』
朱莉はベッドに拳を叩きつける。何で話してしまったのだろう?何が何だかサッパリわからない。
自分は一体何がしたいんだ?何を求めている?血で染まりきったこの身で、何を望んでいるんだ?
わからない、全くわからない。そして・・・不愉快。自分がここにいることに、こんな自分である為に。
そんな事を考えていると不意に部屋のドアが勢い良く開いた。
朱莉は何事かと思い入ってきた人物を見ると
『ぁ・・・』
『いつまで寝てんだ、はやてが呼んでるぞ』
入ってきた人物、ヴィータはそう朱莉に言うなりさっさと部屋を出て階段を降りて行く。
『・・・行くか』
朱莉はもう一度大きなため息をついた後重い足を動かして一階へと降りて行った。
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朱莉は一階へ降りるなりはやてからものすごく怒られた。
『なんで一緒に寝よゆーたのに自室戻ってんねん!』
はやてのハリセンが脇腹に(頭には届かなかった為)ヒットしすぐに
『はよ着替えてきぃや!』
と背中を勢い良く押されてしまう。
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