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朱莉は戸惑いつつも振り返って
『いきなりしばいたり急かしたり何事?確かに途中でベッドから出たのは謝るけど朝から忙しくない?』
とはやてに向かって呆れ顔で聞くとはやてはニッと笑って
『これから皆で出かけるで!』
とビシッと効果音が聞こえそうなくらいに朱莉へと指差して言う。
『何処に?』
『まずは映画や映画!』
頭の上に?を浮かべながらはやてに聞くと楽しそうにはやてが答える。
朱莉はそれを聞き他の四人を見る。あの事があったのでヴォルケンリッターの面々からは目を背け、まともに見ていなかったがよくよく見てみると恐らくはやてプロデュースであろう私服を着こなし出かける準備を既に終わらせていた。
ザフィーラなんか耳を隠す為に帽子まで被っている。
(ていうかお前も行くのかよ)
朱莉はツッコミを入れつつそして同時に朱莉は心の中で心底嫌な顔をした。もしかしたら表に出てしまっているかもしれないがそれでも元より娯楽で楽しもうとは思っていなかったので気がどうしても乗らない。
それに朱莉ははやて達と普通に暮らしてる事でさえ苛立ちを感じているのだ。その苛立ちは自分に対してなのだが。
なので
『そう、じゃあ皆で楽しんでらっしゃい。私はここで留守番『お前も行くんだよ!』・・・』
と丁重にお断りしようとしたがまさかのヴィータに突っ込まれて心の中でため息をつく。
他の三人も
(お前も来い)
(せっかくはやてちゃんが誘ってくれてるのよ?)
(主が我ら全員で行くことをお望みだ)
とアイコンタクト(威圧)で朱莉を睨みつける。
が、やはり朱莉は気が乗らない。乗るはずもない。
そんな時
『私と一緒に行くの・・・そんなに嫌なん・・・?』
とはやてが今にも泣きそうな声で涙を滲ませつつ朱莉に聞く。
朱莉ははやての反応に驚愕しつつ四人からの殺気をいち早く感じ仕方なく
『わかった!行くわよ!だから泣かないで!』
『・・・ほんまに?』
『本当だ!行くから泣くのやめて。寝覚めが悪くなる!』
と渋々と了承するのであった。
しかし、この時、はやてが一人俯いた瞬間にニヤッと笑ったことは誰も気づかなかった。
『・・・めんどくさいからジャージでいいか』
『ダメに決まっとるやろ!?何処の世界にバッチリキメてる人に紛れてジャージ姿で映画見に行く奴がおるねん!?ほら!私が決めたるからさっさと車椅子押しぃや!』
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