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『大人4枚、小学生2枚お願いします』
『大人4枚、小人2枚ですね?お会計4400円となります!』
朱莉はレジの店員から会計を伝えられると懐から財布を取り出し漁りつつ5000円札を店員に渡す。
実は彼、八神家の金銭管理も担当していたりする。とは言ってもはやてと一緒に管理しているのだが。
『600円のお返しとこちら映画券となります!入場の際に係員の方にお渡し下さいね!ではごゆっくり!』
笑顔の店員に見送られ朱莉は店員に『ありがとう』と軽く礼を言いつつ近くのベンチの前に座って大きなため息をつく。
そう、どうしても気が乗らないのだ。
『はぁ・・・』
もう一度ため息をつきつつ先ほど購入した映画券を見る。
朱莉はてっきり女率の高さから純愛モノとかそこら辺の映画を見ると思っていたのだが、それとは全く別物の
(ホラー映画、ねぇ)
である。
しかし朱莉はここでふと疑問に思う。
(シグナムやザフィーラはともかくヴィータやはやて、シャマルは大丈夫かしら?)
そう、シグナムとザフィーラは大丈夫なのだがその他の三人はホラーモノは苦手なのだ。
前にサバイバルホラーのゲームを一緒にやったことがあるのだがヴィータは強がりながら、はやてとシャマルは一切控える事無く絶叫しまくっていたのだ。
そして今回の映画は最近話題の映画でとても怖いと評判だ。
なのにわざわざ見に行って大丈夫なのだろうか?
(怖い物見たさ、ってやつかしら?)
そうだとしたら現実であれば致命的な判断だな。と朱莉は心の中で嘲笑しながら他の5人を待つと不意に
『こんにちわお姉さ~ん♪』
と声をかけられその方を振り向くとそこにはいかにもチャラそうな若い男性が2、3人ニヤニヤしながら立っていた。
その瞬間朱莉は心の中で頭を抱えつつ
『何かしら坊や達?私もそんなに暇じゃ無いのだけど?』
と一応反応してやる。
まさか男からナンパされる日がくるとは思わなかったと朱莉は思いつつどうあしらおうか考え始める。
『ひゅ~、冷たいねぇ』
『でもそこが可愛い!』
『ねぇねぇ、俺らと一緒に映画見ない?きっと楽しいよ?』
口々に口説く男達。
彼らがもし、口説いている相手が男だと気づいた瞬間、どうなるだろうか?
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