152人が本棚に入れています
本棚に追加
『んで、二人ともなんのつもりかしら?』
『くっ・・・』
『えーと・・・』
朱莉の言葉に右隣に座っているシグナムは恥ずかしそうに俯いたまま、朱莉の左隣に座っているシャマルは苦笑いを浮かべている。
正直隣に座っているだけなら朱莉はわざわざツッコミはしない。
いやもう既に『昨日あれだけの事しといてよく馴れ合う気でいられるな!?』みたいな事をツッコミたいのだが。
本題に戻そう。そう、今彼女らは「何故か」朱莉の腕を抱いているのだ。
故に朱莉は手の内心手の感覚を色々なプレッシャーで失いつつも2人に問いかける。
すると2人に変わってはやてが答えた。
『別にええや~ん♪スタイル抜群の美人さんに囲まれてて羨ましいわぁ~♪』
『本気で言ってるの・・・?』
いや、本気も何もシグナムもシャマルも・・・というよりここにいる6人は全員イケメンand美人or可愛い(そのうち1人美人の方に男が混じってるが)のだ。普通の男なら誰もが羨ましがる光景だ。
しかし朱莉は本当に理解できなかった。
故に
『ザフィーラ頼む。変わってくれ、というか助けてくれホントに』
と思いっきり素を出して最早昨日のことなどなかったかのようにザフィーラに助けを求めるが
『えっ・・・もしかして朱兄ぃってロリ・・・』
『・・・ギガやべぇ』
と代わりにはやてが自分を抱くようにしながら何かを言いかけ、ヴィータは顔を赤に染めつつ同じようなポーズをとって朱莉を睨む。
そして最終的に
『朱莉・・・諦めろ』
とザフィーラに諦めの言葉を投げかけられた瞬間、朱莉は遠い目でスクリーンをずっと眺め始める。
(おぉ、朱兄ぃのレア顏)
(あんな顏もするのかアイツ・・・)
(耐えろ朱莉・・・)
(コレはこれでかなり恥ずかしいわね・・・)
(主はやての命令とはいえ・・・私の大切な何かが無くなってしまうような、というより恥ずかしい)
(どうせはやての命令とかなんだろうけど・・・恥ずかしい上に何かもうヤバイ、五感が全く機能してない)
上からはやて、ヴィータ、ザフィーラ、シャマル、シグナム、朱莉の順にそれぞれ思いながら会場の証明が消え、映画の幕があがった。
そして朱莉は始まる直前に心の中で独りぶっちゃける。
(正直俺、よくゲームでやるけどホラー苦手な部類なんだよな。反応薄いだけで内心かなりびびってるし)
と。
最初のコメントを投稿しよう!