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おまけになのはに見つかってしまったら最後、恐ろしい勢いで人が集まりだし何をされるかたまったものではない。
しかし
『・・・朱兄ぃがそんなに嫌やって言うんなら他のとこにするで?』
『いや、行くわよ。行かせてもらいます』
と涙声で言うはやてと殺気を放つその他諸々の視線により朱莉は折れるしかなかった。
『やったぁ!やっぱ朱兄ぃ優しいなぁ』
(どの口が言うのよこの子狸)
嬉しそうに言うはやてに朱莉は心の中で毒づくとテンションが上がりまくっている3人を先頭に店内へと入っていった。
『空いててよかったなぁ。ここ本当に人気やからもしかしたら座れないかと思っとったわぁ』
(私としてはその方がいいのだけどね)
頬杖をつきながら朱莉は毒づくがそれを知らない5人は談話している。
『中々いい店ですね、主はやて』
『せやろ~!それにどれも美味しいからじっくり選ぶんやで!』
シグナムの言葉にはやては得意気に微笑むと机の上にあったメニュー表を取って広げる。
『きゃ~!どれも美味しそう!迷っちゃうわ~!』
『あー!全部食べてぇ!!やっぱいつも通り・・・いや、せっかくなんだし今日は・・・』
テンションMAXのヴィータとシャマルはメニュー表を見てわいわいはしゃぎながら熟考している。
その様を見ながらザフィーラは朱莉に
『気になるのだが女は甘い物を目の前にするとああなるのか?実は俺は甘い物があまり好きではないのだ・・・』
と囁き問いかけるが朱莉はわいわいはしゃぐヴィータとシャマル、楽しそうにメニューを選ぶはやてとシグナムを見てため息をついた後に
『ごめんなさい、昔の私もあぁだったわ』
『そうか・・・』
朱莉の言葉に少し残念そうに俯くザフィーラをよそに朱莉は昔、フェイトとここではないが喫茶店でデザートを食べる際、今のヴィータ達みたいに話していたのを思い出し
(今思うと本当に私って女趣味じゃない?今のうちにこの話し方も辞めようかしら。でもこの服装で男の話し方はちょっと・・・女っぽくしたはやてと欺く為とはいえ女っぽくしようとした昔の自分を恨むわ)
などと今更自分の容姿について不満を吐いていると
『お決まりでしょうか?お客様』
『あぁ、ごめんなさいね。今すぐ決めさせるわ』
と声をかけられ適当に返し振り向くと
『大丈夫ですよ、ごゆっくりお決めになってください』
とニコニコと笑顔の高町桃子がそこにいた。
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