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『良く見てみぃ!ヴィータはいつもアクションゲームやっとるのに今はパズルゲームやってんねんで!?』
『知るかそんなことぉ!!』
どうでもいいはやての言葉に朱莉はとうとう素を出し全力でツッコミを入れた後、我に返り深いため息をついて
『わかったわよ、悪かったわ。何でもするから許して』
と降参したように言うとはやてはピクッとした後に
『今、何でもするって言いよったな?』
『へ?』
はやての言葉に朱莉は聞き返すがはやては超高速でパンフレットを取って店員さんを呼び
『よっしゃ!朱兄ぃの来月の小遣い分使ってデザート頼んでええって!!』
『ナイスはやてちゃん!』
『流石だぜはやて!』
『え?え?』
戸惑う朱莉を他所に三人はさっきまでの空気は何処へやら。一気に高額なデザートを次々と頼み出したではないか。
そこで漸く朱莉は気付いた。全てはこの為だったのだと。
だごしかしもう遅い。全て頼みきった後で目の前にはホクホク顔の三人が待機していた。
『すまん朱莉、主はやての為だったんだ』
『哀れだな・・・』
シグナムの慰めの言葉とザフィーラの同情の言葉をかけられながら朱莉は今日最大級のため息を吐きながら机に突っ伏したのであった。
余談ではあるがこの後、デザートを朱莉含め皆で仲良く食べたそうな。
勿論、全て朱莉持ちだが。
『いつからこんなギャグ路線に走ったのさこの小説・・・』
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そして楽しい?時間は過ぎ、会計の為、レジの前で財布を広げて待つ朱莉の前に
『大変お待たせしました~』
と走ってきたのは高町桃子だった。朱莉は流石に二度目なのでそこまで驚くことは無かったが警戒をしつつ
『いえ、大丈夫です。』
と受け答えしつつ何円か見たくは無いが支払わなくてはならないので内心涙目になりながらレジを見る。
だがしかしそこに表示されたのは驚きの値段であった。
『お会計、7000円になります。』
朱莉はそんなハズない、と心の中で思う。あの3人は一つ3000円もするデザートを食べたのだ。それだけでも9000円はするのに7000はおかしかった。
『ちょっと待って下さい。値段おかしく・・・?』
朱莉が言い切る前に桃子は口元に人差し指を当ててしーっと言った後に続けた。
『久しぶりに息子が会いに来てくれたんだもの。サービスしなくちゃね』
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