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時は代わりその少し後。遂に蒐集を始める事を決心した四人と一人はとあるビルの屋上にいた。
『・・・主の身体を蝕んでいるのは闇の書の呪い』
『はやてちゃんが闇の書の主として真の覚醒を得れば!』
『我らの主の病は消える。少なくとも、進みは止まる!』
三人はそれぞれの思いを胸にデバイスを前に突き出し、ザフィーラは狼形態となる。
目指す目的はただ一つ。闇の書を完成させて病からはやてを救う事。
『遂に始めるのか。言っとくが・・・』
『わかってる!はやての未来を血で汚したくねぇから人殺しはしない!だけどそれ以外ならなんだってする!!』
朱莉の言葉にヴィータはそう返すとアイゼンを前に突き出す。
それを合図に四人の足元に魔法陣が広がり次の瞬間、その身にはやてがデザインしてくれた朱莉戦でも使用した騎士甲冑を纏った。
『俺も行こうか?』
朱莉の言葉にシグナムはいや、と首を横に振った後に
『お前は主はやてを頼む。主はやてにもしもの事があった時、対応出来るのはお前しかいないからな』
と真剣な表情で答える。
他の三人も同じ思いのようで朱莉を見て頷くと
『はやてちゃんを任せたわよ』
『はやてに何かあったら許さねーからな!』
『我が主を頼む』
と上からシャマル、ヴィータ、ザフィーラの順に朱莉に真剣な表情で言う。
『どうでもいいけどお前達、俺を少し信用し過ぎじゃないか?』
呆れたように四人に問いかける朱莉だが四人は微笑むだけで次の瞬間、天高く飛び上がって各自目的の場所まで飛んでいった。
その様子を見ていた朱莉は四人が完全に居なくなった事を確認すると通信デバイスを展開、ギル・グレアムを呼び出す。
『蒐集、ようやく始まったわよ』
《そうか、では予定通りこれからは守護騎士達のバックアップに回ってくれ》
グレアムの指示に朱莉は了解、と短く答えた後に
『ちょっといいかしら?』
《・・・何かね?》
と呼び止める。
グレアムは訝しげに聞き返すが朱莉はいつもの、淡々とした口調で
『ちょっと調べたい事ができたの。何処か調べられる場所は無いかしら?』
と聞いた。
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