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対して朱莉もじーっとはやてを見続けてみる。
下から上目遣いで見てくるはやては中々絵になると朱莉は思う。
もしこの眼差しが同じくらいの年の男の子に向けられたものであったら一発で落ちているだろう。
(ていうかこの世界の人はみんなイケメンと美女しかいないのかしら?)
と内心思う朱莉。飛び抜けて可愛かったりイケメンはいるが普通の人でも何気に総じて周りのレベルは高い。そう思いつつはやての様子を見ていると不意に
『朱兄ぃってシグナム達と同じく魔法使えるん?』
と聞いてきた。心なしか目が輝いているように見える。
『そうね、シグナム達とはちょっと違うけど使えるわよ』
朱莉がそう答えると更に目を輝かせて
『じゃあじゃあ『マジカル☆メイクアップ!』とか言ったら変身出来るん!?何かキラキラしたの出て皆を幸せにしたりできるん!?』
『何処の魔法少女よ私は?変身は・・・しないわね。基本その時の服装のまま戦うわ。それに魔法は戦闘特化ね・・・。たまに私生活で使うけど』
『何や・・・夢がないなぁ~』
がっかりとした口調で言うはやてに悪かったわね、と苦笑いしながら言う朱莉。しかしはやては
『でもせっかく魔法使えるのに専用衣装が無いのは辛いなぁ。よっしゃ!私が考えたる!』
と逆に何か意気込み始めたので朱莉はまたもや苦笑いしながらも遠慮がちに
『いいわよ別に。私が戦う時は大抵一太刀で終わっちゃうし服もボロボロになって毎回買い変える事になるわよ?』
と言うがはやてはちっちっと指を振りながら
『あかんよ朱兄ぃ!何事にも中身も大事やけどそれを飾る外見(そと)も大事なんや!考えてみぃ!もし寝る前に戦う事になってもうたらパジャマで戦うんか!?』
と何故か熱弁するはやてに若干怯む朱莉。しかしそれも一理ある。自分がパジャマ姿で戦う所を想像するとなんともしまらない戦いを連想して苦笑いする。
『確かにないわね。貴女達や他の女の子だったら話は別だろうけど』
『せやろ!?ほな早速資料集めいこかー』
と起き上がって言うがもう一度朱莉の膝に顔を埋め
『だけどもうちょいこのままで居させてくれへん?』
と言うはやてを朱莉は撫でながら
『・・・はいはい』
と苦笑いしながらはやての気が済むまで膝枕をした。
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