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場所は変わりいつもの図書館。はやてと朱莉は衣装の資料を集めるべく図書館に立ち寄っていた。
本来なら雑誌を買ってそこから参考にするべきなのだが形だけでも決めておこうと図書館に来たのだ。
実際、ここの図書館は置いてある本の種類が尋常ではない。
歴史・文化・小説・文庫本は勿論少し前のファッション雑誌やゲーム本、さらには漫画まであるのだ。
故に利用する人も少なくない、むしろ多い方であった。
『さて!まずは本を取ってこな!』
車椅子の上で元気に言うはやてを見て朱莉は微笑みながら
『じゃあ私は先に場所取るついでに飲み物買ってくるわ』
『おおきに!じゃあ後で合流な!』
入り口付近ではやてと別れる朱莉。はやての姿が本棚で見えなくなるまで見送り
(さて、俺も行きますか)
ととりあえず場所を取るべく歩き出すと不意に
『あら?もしかしてはやてちゃんのヘルパーさん?』
と声をかけられ振り向くと以前出会った図書館の受付の女性が笑顔で立っていた。
『あら、いつしかの受付のお姉さん。久しぶりね』
『お姉さんなんてお世辞が上手いですね!宮城(みやしろ)って言います』
朱莉がそう返すと宮城は照れつつも嬉しそうにしつつ自己紹介をする。
『鈴戸朱莉よ。宜しくね、宮城さん』
『はい鈴戸さん!今日ははやてちゃんも一緒ですか?』
『えぇ、はやては先に本を選びに行ってるわ』
朱莉の言葉にそうですか~と宮城は言うとにこやかにしながら
『最近ははやてちゃんの親戚がご一緒だったから鈴戸さんはどうしたのかなーって思ってました。でもよかったです!』
宮城の言葉に朱莉は首を傾げると宮城はまるで自分の事かのように喜びの笑みを浮かべながら
『はやてちゃんですよ。鈴戸さんや親戚さんと一緒になってからはやてちゃんもすっかり元気になってあんなに笑うようになって・・・何だか安心しました』
宮城の言葉に朱莉はフッと笑うと
そうね、と返す。
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