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『じゃあ、そろそろ行くわね。毎回どうもありがとう』
『いえいえ!はやてちゃんの笑顔を見ると私も嬉しくなってくるので!ではでは!』
朱莉は宮城と別れるとまず席に荷物を置いて場所を取り自販機まで行き飲み物を二つ買う。
そこでふと今までの自分を思い出してみる。
(そういえば大体聖祥の制服着て戦ってたなぁ。最終的に制服にマント、右手にはガントレットってすごい格好してたな・・・)
自分がやっていた事とはいえ思わず苦笑いを浮かべる朱莉。
しかし最後にはしっかりマントは外していたので様にはなっていたハズだ。
(いや、何言ってんだ俺は・・・)
自分を嘲笑しつつもはやてがいるであろう本棚の所まで行くと賑やかな女の子の声が聞こえてきた。
(この声・・・はやてに・・・誰かしら?どっかで聞いた事ある声だけど・・・)
朱莉は首を傾げつつもはやての元へ向かい
『はやて、飲み物買って来たわよ』
『あ!朱兄ぃ丁度良かった!』
と声をかけるとはやては満面の笑みで振り返りつつも朱莉の後ろに回り朱莉を前へ出すように背中を押すが目の前にいたのは
『あっ!貴女はあの時の人ですよね!?』
『貴女・・・』
朱莉の目の前にいたのはなのはの友達であり以前、雀とも友達であった月村すずかであった。
この姿では前に一度、なのはにぶつかった時に会っている。
朱莉は内心驚きつつすずかをじっと見ていると
『なんや2人とも知ってたんかぁ。まぁえぇ!これが私の兄ちゃん、朱兄ぃや!』
『いつから貴女のお兄ちゃんになったのかしら?』
後ろからバンバンと朱莉の背中を叩いてすずかに紹介するはやてに朱莉は笑いながら返すとしゃがんですずかに目線を合わせると
『鈴戸朱莉よ。よろしくね、お嬢さん』
とにこやかに挨拶をする。
自分が朱鳥雀だとバレる可能性も0ではない。ここは鈴戸朱莉としてやり過ごす方が得策だと朱莉は判断しての行動であった。
『つ、月村すずかです!はやてちゃん、本当にお兄ちゃんなの?』
すずかはまだ朱莉が男だと信じきれてない様子ではやてに聞くが
『正真正銘男やで!朱兄ぃもいい加減その口調なおしーや。勘違いされるでー』
とすずかに言った後朱莉に注意をおれると朱莉ははいはい、と適当に返事をした後に
『すずかちゃんだっけ?はやてのお話相手になってくれてありがと』
とすずかに向けて笑顔でお礼を言う。
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