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とりあえずこのまま話す他ない。
朱莉は内心そう思いながらすずかに笑顔を向ける。
『い、いえ!私こそこの間私のお友達が失礼しました!』
すずかは慌てつつも勢い良く頭を下げて朱莉に謝罪するが朱莉はすぐ
『全然気にしてないわよ。ほら、顔を上げて』
とすずかに苦笑いしながら顔を上げるように諭した後
『そのお友達さん達は元気かしら?』
『はぃ!あっ、でも時々寂しくなっちゃう時もあります・・・』
『寂しく?』
不意に影を落として言ったすずかに朱莉は聞き返すとすずかははい、と頷きながら
『少し前まですごく仲のいい友達がいたんですけどある日を境に学校に来なくなったと思ったら、どうやら転校しちゃったらしいんです。』
『へぇ?(あの人、そこまでしてたのね。流石だと言いたいわ)』
すずかの言葉を聞き本来の自分の環境がどうなっているかを知った朱莉は内心情報操作したであろう彼に関心する。
『それで私やアリサちゃんになのはちゃん・・・あっ、私の友達です!もすごいショックで・・・』
『なんやひどいやっちゃなぁ。友達に何も言わんで勝手にどっか行ってもうたなんて』
すずかの言葉にはやては眉間に皺を寄せながら言うがすずかは顔を横に振り
『ち、違うと思うの!多分・・・学校に居づらくなったからじゃないかなって・・・』
『・・・』
すずかの話を聞いて眉をピクッと動かす朱莉。しかしどうやら彼女達は気づいていないようであった。
そしてすずかは続ける。
『もう1人私達の友達・・・いえ、クラスメイトが居たんですが多分・・・その子が原因だと思います』
『その子?』
はやての問いかけにすずかは頷いて話を続けようとするがその前に
『はぃ!そこまでよ。そんな話、此処ではやめておきなさい。せっかく初めて会ったんだからどうせならもっと楽しい話しない?』
と朱莉が手をパンっと叩いた後に言うとすずかも我に返ったような仕草をすると
『あ・・・すいません。こんな話しちゃって・・・』
『気にせんでええよ。せや!今朱兄ぃの服決めてる途中なんやけどよかったらすずかちゃんも一緒に考えてくれへん?』
と謝るすずかに対しはやては両手を振って返すとポンっと手を叩いて朱莉の服のデザイン決めに誘う。
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