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『あっ!朱兄ぃ遅かったなぁ~』
『ちょっとゆっくりしてたからね』
はやてに笑顔で返すと再び席に座り冷めてしまったコーヒーに口をつける。
そして朱莉が一息ついた所ではやてが何か思いついたように
『せや!朱兄ぃ、明日すずかちゃん家に泊まることになったんやけど朱兄ぃも一緒に来うへんか?』
へぇ、と朱莉は呟きすずかを見ると頷き今にも『構いませんよ。むしろ大歓迎です!』と思わせるような笑顔を見せるが
『悪いけど、私は遠慮しとくわ』
と出来るだけ残念がってる「フリ」をして申し出を断った。
はやてもすずかも断ると思っていなかったのか驚きの表情でぶーぶー言うが
『他の皆の世話、しなきゃいけないしね。これでも私ヘルパーだし』
と苦笑いして言った。
はやてはそれを聞いてあっ、と思い出したような仕草の後に
『それなら私も皆のご飯つくら『貴女は遊んできなさい』・・・えっ?』
と断ろうとした所で朱莉に言葉を遮られ聞き返す。
朱莉はやれやれといった表情を浮かべながら
『せっかくの同じ年代の友達ができて、お誘いしてくれてるんだからめいいっぱい楽しまないと・・・ね?』
朱莉の言葉にでも・・・と渋るはやてだが朱莉は尚も続ける。
『大丈夫よ、家の事は心配しなくていいしあの子達もこの場にいたらきっとこう言うハズよ?』
朱莉の言葉にしばらく唸るはやてだったが最終的に
『せやね、せっかくだし楽しんでくるわ!家の事任せたで朱兄ぃ!』
と笑顔で了承した。朱莉も大丈夫と笑顔で返しすずかの方を向いて
『ごめんなさいね、今度お邪魔させてもらうわ』
と申し訳なさそうに言うがすずかはとんでもない!と首を横に振り
『今度いらしてください!その時に明日の分も含めておもてなししますから!』
と笑顔で言った。
朱莉は内心影を落としつつ
(やっぱり・・・いい子だな。すずかもはやても)
と呟いた後、立ち上がると
『じゃあそろそろ帰りましょうか。すずかちゃん、もう遅いし家まで送ってあげるわ』
『そんな・・・悪いですよ!』
朱莉の言葉にすずかは手を振って言うが
『遠慮せんでええですずかちゃん!私ももっとすずかちゃんと話したいし明日お世話になるから挨拶もしたいしなぁ』
と朱莉の代わりにはやてが笑顔で言い、朱莉もにこやかに頷く。
その言葉を聞いたすずかは
『じゃあ、お願いします。朱莉さん、はやてちゃん!』
と笑顔で答えたのであった。
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