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『でも良かったわぁ』
『何がですか?』
食事も終わり2人で洗い物をしている最中、はやてが呟くように言う。
朱莉の問いにはやてはあっ、と何か戸惑うようにした後申し訳なさそうに
『いやー・・・あのな、今日朱莉さんが来るのかなり楽しみにしとったからその・・・つい作り過ぎてもうて・・・』
と苦笑いして誤魔化しつつも謝るはやて。
そして
『でも朱莉さん見た目によらず結構食べるんやなぁ。1人でまさか5人前分食べ切るとは思わなかったわ。私としてはあんなに美味しそうに食べてもろうたから満足やけど』
『本当に美味しかったですよ。特に麻婆豆腐、私の大好物なんですよ』
『ホンマか!?いやー、喜んでくれたようで何よりや』
朱莉の言葉にはやては本当に嬉しそうな表情をしながら洗い物を続ける。
朱莉はその嬉しそうな横顔を見て微笑みながらも
(・・・流石に食べ過ぎたわね。というかそう思うのならもうちょっと食べるの手伝ってくれてもいいんじゃないの・・・?)
と内心愚痴をこぼしていた。
そして洗い物が終わり食後の一休みにテレビをつけて二人でバラエティ番組を見始める。
するとはやてがテレビを見ながら朱莉に質問を投げかける。
『なぁなぁ、朱莉さんは何処の出身なん?見た目すっごく綺麗やしとても日本人とは思えへんよ』
はやての問いに朱莉はしばらく考えると微笑して
『もしかしてこの世界の人間じゃなかったりして』
と言うとはやてはえっ、と一瞬固まるが
『またまたーwそんなハズあるわけないやろー。意外とロマンチストなん?』
と笑いながら返すと朱莉はテレビの方に視線を戻して
『わからないですよ?一番身近にいる人間は実は魔法使いだって事もあるかもしれませんよ?』
『朱莉さんは冗談が好きやなー』
『貴女はもっと夢を見なさいな』
そして二人でケタケタと笑い合い、朱莉はカップに口をつける。
『朱莉さんは面白い人やなぁ。あっ、敬語使わんでええで!ヘルパーでもこれから一緒に住む「家族」みたいなモンやしな』
と笑いながら朱莉に言うはやて。
が、しかし朱莉は一瞬だけ目を伏せると
『そうね、これからしばらくよろしくね。はやて』
『よろしゅうなぁ、朱莉さん』
とお互いに握手を交わした。
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