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「きみのほうもすごいな。パンチは軽いが、さっきの彼よりさらに速いよ。ふたりとも養成高校のボクシング部なんだろ。あそこにはオリンピック強化選手が何人かいると聞いたことがある」  タツオはグローブを脱ぎながら、手を振ってやった。自分がなにをしたのか、若いトレーナーにはわからなかったようだ。  ジョージは腕を組んで考えこんでいる。 「やっとわかった。タツオのは時間を操作する術なんだな」  二度見ただけで、この術の本質を見抜いている。さすがに天才児だった。 「逆島(さかしま)流体術、『止水(しすい)』という。戦国時代から軍人だったうちの一族に一子相伝で伝えられた術で、気の流れを制御して、体内時計のクロックを早め、外の時間の流れを遅くするんだ。身体というより、脳のなかを変性させる技なんだ。うちの3兄弟のなかでは、運動神経のないぼくが一番達者だった」

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