プロローグ~第1次魔法大戦~

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「よし、幼稚園まであと少しだ…無事でいてくれよ…」 ふと空を見ると赤い魔法陣が見える あいつの魔法だな… 俺の任務は幼稚園にいる園児達の安全の確保並びに避難 敵を蹴散らしつつもなんとか幼稚園に辿り着いた 「うわああああぁぁぁ!!!」 「きゃぁぁぁああああ!!!」 「待て!俺は日本兵だ!君達を助けに来た!」 扉を開けると無理もない、恐怖で震える園児達が一斉に騒ぎ出した 声を掛けても収まる気配は無い 「ねえおじさん、父さんと母さんは?」 一人だけ妙に落ち着いた園児が俺に近付いて来た 隊長にも似たこの顔…蒼空君か 「ねえおじさん父さんと母さんは?」 隊長…俺、子ども泣かせたくないんですよね… 千怜さん…俺、どうしたらいい 蒼空君にくっついて来た男の子と女の子 悠空君に海莉ちゃんまで揃ってしまうとなんだかこっちまで泣きたくなるよ 「ねえおじさん、父さんと母さんは?ねえ」 「蒼空君、よく聞くんだ………  お父さんとお母さんは………  もう帰って来ない」 「帰って来ないって…なんで?」 「隊長達はもう………」 無邪気な目で見られ、俺は今まで感じた事の無い罪悪感に襲われた 気付けば嗚咽で言葉が出ず、大事な部分が言えない 「兄ちゃん…パパは?ママは?」 「こわいよ…にいちゃ…」 でも、それが現実だ 俺は酷い男だと思う こんな小さな子どもに親は死んだと言うんだから この子達に恨まれても仕方ない だから……… 「隊長達は………死んだ」
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