第1章

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「別れよう」 俺と君は付き合って数年で別れた。君にその言葉を言われた時は物凄く焦り、醜くも泣きすがった。 「俺、お前が嫌だって思うこと全部止めるから!だから…、な?一緒に…」 「ごめん…もう無理なの」 そう言って君はあるモノを破り捨てた。 ――――婚姻届だった。 ビリビリ破いて、ゴミ箱へ入れた。 勿論俺達は結婚するかもしれないと思い二人婚姻届を持って指輪も交換する予定だった。 君は俺のアパートの合い鍵を机に置いて辛そうな顔して『さよなら』と呟いた。 その時俺は放心状態で何も考えられなかった。只、君の足音と玄関の扉が開き閉まった音が聞こえただけだった。 其処からはあんまり覚えていなかった。 大学で出会った**と俺はお互い特に何も感じなく一緒の講義を受けただけだった。 勿論漫画や小説のように隣同士ではなく俺は**が少し見えるだけと言う位置に着き、**も教授の声がよく聞こえるように前の席に居た。 講義に来ていた人は少なかった。 偶々俺と**は同じ得意分野があった、それだけの共通点だった。 俺は英語が元々得意だったから英語の講義を、**も英語を、という形で出会っただけだ。 その後友達に数合わせで付き合わされた合コンで渋々付き合わされていた**が居た。 俺と**は向かい合って、端っこの席だった。**は『友達が数合わせだって』や『興味なんて最初からない』と愚痴っていたがその横顔は少しソワソワしていたように見えた。 恐らく初めての合コンなんだろうか…と勝手な考えをしていた。 みんなメアド交換やそのまま遊びに行くような人達も居た。 俺と**はメアド交換だけをして、さっさと帰った。 俺が風呂から上がるとメールが一件あった。 **からだ、と直感で分かった。『明日の講義は何を受けるんですか?』簡単な文章だった。 絵文字も、顔文字も何もない、至ってシンプルなメールだった。 『明日も英語を受けるよ~』と送信。直ぐに『わかった、おやすみなさい』と返信が来た。 次の講義にもこの前と同じ席に俺達は座った。 その次も同じ席に座り講義を受けた。他の教室へ行くときや図書館へ行くときは一緒に行動していた。食堂も利用していたが、**が『いつもそれで大丈夫なの?』と聞いてきた。 確かに…と思えるぐらいに俺の食は偏っていた。
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