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「私は神様を統べる神様なんですが、生物の運命を統べる神様でもあるんですね。
つまり私の一挙手一挙動が全生物の運命をも左右しかねないんです」
「…で、君がうっかりミスしたせいで僕が死んだと」
なるほどな。…ちょっと納得はいかないけどさ。
「悪気はなかったんです!ただちょっとうとうとしてて…」
「…神様って、そんな大変なの?」
確かにうとうとしてたせいで僕が死んでしまうというのはなんともナンセンスだけど、世界70億人プラス全生物の運命を管理するのだ。
疲れていたのだろうし仕方ないk…
「いえ、最近は自動で管理してくれる『システム』っていうのが出来たので疲れてはないんですが、私がうとうとしたせいで飲んでたコーヒーをうっかり溢しちゃって。
それで『システム』が一時的にバグっちゃったみたいで、それによって一部の生物が被害に遭ってしまったんです。
何とか『一人』を除いて死ぬのは防いだし、あらゆる学問におけるパラドックスも起こんないよう調整もしたんですが…」
「その『一人』であるのが僕だ、と。ふざけんなよ」
それはさすがにいただけない。
セーズさん絶対に許さないんで。神様だけど。神様だけど!
それもそうだし、『システム』って。
神様の仕事そんな簡単に任せちゃっていいのか?
さすがにまずいんじゃ…。
「それは本当にごめんなさい。あたしの油断が悪かったんです。だから、お詫びにと言っては何なんですが」
「…?」
困惑と怒りの入り混じる僕に、彼女は大真面目な顔でこう、一石を投じた。
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