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そのあとは他の三人とも話したりしてそれぞれの話に花を咲かせていた。
サレットとは、銃の話をした。
話によると、銃を作れる鍛冶屋と言うのはごく限られているらしい。
銃弾となる魔力をある程度詰めても暴発しないようにする技術を持つ人が少ないからだとか。
まあ魔力自体が不安定なものだからっすね、と彼はその話を締めくくった。
ヤツギとは、100年生きてきたこともあってか、【リナイブ】に関する歴史を教えてくれた。
昔は、今のような便利な機器がなかったのだという。
原始的なやり方でこなすことも多々あったようだ。
それが数十年前、地球でいう【産業革命】のようなことが起き、魔力を動力源とした便利な機構を用いた器具が大量に現れたのである。
その機構を開発するために数多くの人物が魔力暴走の犠牲にあったのだという。
そこで人々は一年に一回、犠牲になった魂を弔い、今の便利な世の中に感謝をする、【魔力機構の日】というのを定めたのだという。
今の暮らしは、多くの人々の努力の上に成り立っているのじゃよ。
ヤツギは最後にそう言った。
…本当に産業革命にそっくりだな。
あれも多くの人々の犠牲のもとに成り立ってきた革命だ。
僕も皆もあの暮らしを当たり前だと思っていたけど、その背景には重い暗部がちらついているんだ。
…とても、考えさせられた。
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