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「…」
リモーネに担がれてきた青年は初めてこの部屋を見渡した。
顔を動かす度、肩口で切り揃えられた髪が揺れる。
(素っ気無い)
部屋の中央に卓袱台があり、壁には棚が備え付けてあるだけ。
縛られていた箇所を擦りながら、彼はそう思ったのだった。
「…」
娘が連れて来た少年を見つめながら彼女は考えていた。
彼の見た目はどうみても普通ではない。
髪は見事な銀髪で瞳は黄金色。それでいて眉毛は黒い。
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