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そう云う話しは大人達がする。今年成人したリモーネも本来ならその話し合いに加わるべきなのだが、ルリにラルクを任せるのは頼りないと云う理由で、彼女も留守番組みになった。
「そうだよ~女の子は髪を大事にしなきゃ」
「え?」
「ん?」
疑いの眼を向けるラルクに、クリクリと純粋そうな瞳を向けるルリ。
「ルリ~なんでラルクがそんな格好してるか分かってる~?」
リモーネがゆる~いツッコミを入れた。
「…あっ、本当に男の子なの~?」
(本当にとはどういう意味ですか?)
ラルクは苦笑いを浮かべた。
確かに、ラルクは顔だけなら少女と言っても通じそうではある。が、しかし、声は凛としているし、体付きも少女らしさに欠けている。
ぱっと見れば間違えそうではあるが、彼女達の母親が分かったようにちゃんと見れば男である事が分かる筈である。
「そか~ごめんね」
あはははと軽くルリは笑った。
「いえ、いえ」
ラルクは首を振った。
一つに結われた髪が、揺れた。
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