序章
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海と空が交わり、海とも空とも区別がつかぬ場所から何かが空を目指して蠢くのを少女は見た。 「おばあちゃん今、何かがお空に昇っていったよ」 足を止め、指差す孫に彼女は顔の皺を寄せて笑った。 そして灰色の瞳を真っすぐ自分に向けている孫に視線を合わせた。 「ルリ、あれはね―」
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