1章

5/30
前へ
/445ページ
次へ
 その格好とは片足を器用に木の股にかけ、両手は万歳した状態で隣の木に預けていると云うものである。 (貴重なポーズだわ。このままにしとこうかしらん~?)  真剣に彼女は手を顎にかけ、思案し始めた。  全く阿呆らしい事なのだが、彼女は真剣に小一時間下ろすべきかどうか迷ったのだった。  結局、彼が意識を取り戻し地面に落ちたのだが…彼女は『大丈夫?』など彼を気使う言葉は発せず 「あ~あ、折角の芸術が~」 と、間の抜けた声を出したのだった。
/445ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加