1章

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 見つめられている方は口を塞がれ、体は紐でぐるぐる巻きにされているのでなんの抵抗もできないでいた。 「リモーネは狩りが上手いからなぁ~どれどれ」  そう言って家の奥から、大柄な男性が出てきた。  彼は彼女達とは違いゆったりとした服ではなく、胸元が開いている動きやすそうな服を着ていた。  見えている肌は浅黒く、腕や脚は彼女達の二倍以上はあり、まるで熊のような見た目である。  そんな彼も彼女達のように獲物を覗き込んだ。 「…父さん、上手く捌ける自信ないなぁ…」  彼は正直な感想を漏らした。  彼は動物を捌く腕に自信があった。だが、今回は例外である。少々、いや、かなり自信がなさそうだ。
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