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「わたしぃ…だにもやぐにだだながっだよぉぉ……」
涙でぐしょぐしょになる玲奈の寝巻き。
〝それだけ悔しかったんだね…〟
と子供をあやす様に背中をポンポンと叩きながら困った様な表情を浮かべる。
由奈がある程度泣き止んだ後、玲奈はホワイトボードを手に取り、自分の似顔絵付きの文字を書き由奈に見せる。
(大丈夫!次があるって!
今回はわたるお兄ちゃんが悪いの。
由奈ちゃんは悪くない!
だから元気だして…ねっ!)
「ぷぷっ!なにそれっ。
おねぇちゃんなの?
全然似てないっ!」
満面の笑みで笑い出す由奈。
それにつられ玲奈もくすくすと笑い出すのであった。
(ところで、弥お兄ちゃん達大丈夫かな?)
玲奈は少し心配そうな表情をし、由奈に問う。
「んー…見てこようか?」
(お願い!)
「待っててねっ!」
由奈は純真無垢な表情を浮かべ、大きく頷くと布団を飛び出し病室から出て行った。
〝大丈夫…かな?大丈夫…だよね…〟
しばらくすると隣の病室から弥の声が聞こえてきた。
「フハハハハ!!
我はダークエンド!
この世界の救世主である。」
〝あーやっぱダメだったかぁ…〟
玲奈はふらつく身体を無理矢理起こし、隣の病室へと向かう。
「なっ!?貴様は蚊ではないか!!?」
「なに!?貴様も蚊扱いすると言うのか!?」
「うわぁ…おにぃちゃん!
駄目だよ!そんなものふりあげちゃ!」
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