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「うっ…うん!」
男は先程とは違う真剣な表情になり、玲奈を抱き上げベッドに寝かすと床で目を回している弥を揺さぶり起こす。
「おい!」
「うーっ。いててて…なんだよ。」
「俺は何時間寝ていた。」
「だっ…大体六時間くらいか…」
「ありがとう。十分だ。
今からオペを始める
術式オープン!!」
男が手をかざし唱えると空間に違和感を感じ、辺りは異質な空間へと変わる。
「13時50分、腹部切開骨折修復手術を行う。
出でよ!メス!」
男の手に突然メスの様なものが現れ、服の上から玲奈の腹部に刃を突き立てる。
「お前!?玲奈になにを!!」
慌てて止めようとする弥を由奈が全身を使い引き止める。
「だめだよ。おにぃちゃん!
このひと、お医者さんだよ。」
「医者…だと!?」
弥は驚き男を見る。
男の耳の裏にある痣。
弥は眼帯をした左目に手を当てる。
「あいつも能力者か…
たすかるかもしれんな…」
弥は男の行動を見守りながら、拳を握り踏みとどまる。
「出でよ!カンシ!
むっ…出血がひどいな…
輸血が必要だ…
この患者の血液型は…
O型か…
おい!お前の血液型はなんだ!」
男は弥を睨む様に問う。
「おっ…O型だが…」
「よし!ついてるぞ。
こっちにこい!」
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