第1章 奇跡は突然に…

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翌日… 玲奈が目を覚ますと見慣れぬ男が玲奈を見下ろし微笑んでいた。 (あなたは…だれ?) 「私は上条拓也。 元この病院の外科医だ… 危ないところだったのだよ?」 〝上条…拓也? 私…あれ?…〟 玲奈は脇腹を摩り、拓也に背を見せるとこっそり脇腹を確認する。 〝…あれ?痛くもないし、傷もない…〟 不思議に思い、思わず拓也の顔を見る。 「ははははっ。不思議かい? それが私の能力なんだ。 そこで寝ている少年に習うなら術式!ゼロと言った所かな?」 〝ん…ん???〟 玲奈はもどかしそうな表情を浮かべ、首を傾げる。 「ははははっ。玲奈さんだったかな? 君の苗字を教えてくれないか? カルテに登録しておくから。 皆、名前しか知らない様なのでね。」 (神崎です。) 「神崎玲奈さんねっ。 カルテオープン!登録。 クローズ。 これで君の治療は短縮された。 いつ、どんな時でもすぐに治せる。 ただ、怪我の状態により、彼の血液を使用することになるけどね。」 苦笑いをしながら、弥を見る拓也。 玲奈も少し怪訝そうな表情を浮かべている。 「いや…彼ね…相当驚いた様で本来は気絶するほどじゃないんだが…」 頭が痛い…いや…怪我とか関係なく。 玲奈は大きくため息をつき頭を抑える。 「まぁ…彼には初めての体験だっただろうし、君に血液を提供してくれたのは彼なんだよ。」
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