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「由奈ちゃん…」
「どうしたの?おじいちゃん。」
悲しそうに由奈の肩を叩く康介であったが由奈はケロッとした表情をしている。
「ほむ?」
不思議に思った康介は玲奈のそばに寄り、白い布を外してみる。
ぷはっ!!
「ふぉっ!!?」
「くははははっ」
突然息を吹き返した様に起き上がる玲奈。
康介は尻餅をつき、弥は腹を抱えて笑う。
「どっどういうことじゃ!」
「あのね。おねぇちゃんお熱があったから濡れたタオルを頭にのせてあげたの。」
(由奈ちゃん!口にまでタオルかけたら本当に死んじゃうから!)
玲奈はゼーゼーと息を切らしボードを見せる。
「ほむ……」
康介は少し考えた後、弥に拳骨をいれ、由奈の肩を掴み目を合わせる。
「いでっ!?」
「ダメじゃよ。あれでは息が出来なくなって死んでしまうのじゃよ。
次からはちゃんとおでこだけにしてあげなさい。」
「…はい…ごめんなさい…」
由奈はシュンとした表情で頭を下げると玲奈のそばに寄り、再度頭を下げた。
「おねぇちゃん。ごめんなさい…」
「うむ…それで良いのじゃ。」
玲奈も由奈の頭を優しく撫で抱き寄せる。
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