星が瞬くこんな夜に

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『新撰組の奴らめ』 何処かで呟かれたのを耳が拾う。 その続きが他の誰かによって発せられることは無かった。 しんと静まり返る部屋に再び沈黙が訪れる。 伊藤さんは近藤さんに呼び出され、会談中酒に酔ってしまったらしい。 どうやら僕達が計画した近藤さん暗殺計画を知られてしまったようだ。 ここへ戻る途中に何者かによって殺害され、油小路の七条通りに放置されているということだった。 新撰組の仕業だということは明らかだ。 そしてこれが罠だということも。 今、ここにいる御陵衛士の隊士は僕を合わせてたった七人。 このまま出向けば絶対に敵わない。 だけど、それでも……。 「行こう。 伊藤さんをこのまま放って置くことなんてできない」 例えそれが罠だったとしても、僕たちは行かなければいけないんだ。 伊藤さんは僕にとって大切な師でもある。 このまま朝まで野晒しにしておく事などできない。 そうして僕達七人は急いで七条通りへ向かった。 そこには情報通り野晒しにされた伊藤さんの姿があった。 すぐに遺体を籠に入れ、早々にその場を引き上げようとする。 瞬間。 近くで大きな銃声音がした。 「………!」 それを合図に僕達の数倍はいる人数の新撰組隊士が現れ、すぐ囲まれてしまった。 わかっていたことだったはずなのに、心臓は酷く激しく動悸を打つ。
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