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少し経っただろうか。無音の空間に外にちらほらぼんやりと淡い光があるせいで、余計にうとうととしてしまう。気付くと堀井も目を瞑り静かな息をしていた。
そんな時に、小さな女の子が通路を横切った。まだ小学生くらいだろうか、彼女は少しふらつくようにして歩んでいる。こちらを一切気にする素振りもなく、通り過ぎてしまった。どうも放っておくのもバツが悪いと思い立ち、立ち上がり声をかけた。
「どうかしたの?」
すると女の子はゆっくりと振り返って言葉を返す。
「うぅん、お母さんとはぐれてしまったの。」
そう言う彼女の目は、こちらを向いているようで焦点はまるで合っていなかった。瞳の色はくすみ、色彩が暗い。
「生まれつき目が見えないの。お母さんを探すのも一苦労なんです。」
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