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「堀井、死んだんだって。」
電話口からの言葉に耳を疑った。あの豪快で明朗な男が死んだ?
「事故に遭って、即死だってよ・・・」
加藤の言葉は少し震えていた。悪い冗談だと、笑い飛ばせはしない雰囲気だった。
「どうして・・・あいつが・・・」
どうしてあいつが、俺よりも先に。
「本当だよな、数少ない親友だったのに・・・」
涙が頬を伝う。二年間会っていない旧友に先を越されてしまったのだ。悔しさに拳を握りしめる。
「とにかく、お前んとこにも連絡あるだろうから、しっかりしろよな。」
加藤が励ましの言葉をかけてくれる。僕にとっては的外れなものだ。そんな心配など必要ないのだ。僕は僕のことで精一杯で、生への羨みなど皆無なのだから。
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