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すると、少年はすぐに無邪気に手を振り走り去ってしまった。 船の外へと、暗い闇へと。 しかし行く末を見遣ると、光り輝く天使が見えた。彼は一直線にそこへと駆けていき、その温かい光に抱かれていく。翼があるように、あの子を包み込むように、そう見えた。 そこにある彼の姿もまた輝いて、羨みながら見惚れてしまう。一切の負を払い捨てた、ある種悟りの境地を垣間見た。 遥か銀河で光るその光は、しばらくぼんやりと眺めていると、段々と小さくなり、やがて消えた。 僕はその場に立ち尽くし、光のあった場所を見続けた。また、訪れてくれるのではないかと。僕のことも、包んでくれるのではないかと。しかしその思い虚しく、待てども何も変化はなく、深淵に飲まれるようであった。 すっかり落胆して席へと戻る。相変わらず、堀井はそのままであった。 「そうか、そいつぁ良かったな。」 堀井に先の話をすると、簡単に済ませられた。良かったのは、彼らと、僕とが出会ったことなのだ。それを彼はよく知っていた。
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