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でもそれはすぐに終わってしまった。卒業してすぐ、皆忙しさに追われて会う暇などなくなった。最初こそ少しは連絡を取っていたものの、結局はそれぞれの道へと進んだのだ。
会おうと思えば、会えたのかもしれない。でも所詮はそれまでの仲だったのであろう。僕からしても、彼らからしても。進む為に疎遠になり、僕は置いていかれたのだ。
必死になって彼らについていこうとしたけれど、そうすればそうするほど、劣等感に苛まれるようになった。そうして僕はいつからか環境を恨み、世界を憎むようになった。
恵まれないのは、幸せになれないのは、全ては世界が悪いのだ。そう思うことで、ギリギリのところで踏ん張っていたのだ。踏ん張り過ぎて、一度躓けば戻れないこともわかっていた。
そうしているうちに頬はこけ、生気を失い心が鈍感になった。
あぁ葬式とは、こういうものか。今になってみると、思うことが多くある。僕の葬式は、きっともっと簡素で、萎びたものになるだろう。葬式すら上げてもらえないかもしれない。
誰が僕の死を悼み、誰が涙を流すというのだろうか。
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