第1章

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辺り一面が真っ黒。 黒のペンキを一面に塗りたくったように真っ黒な空間。そんな不思議な空間を、僕は自室からずーっと眺めていた。 僕は、ずーっと六畳一間のこの快適空間に引きこもり、真っ黒な暗闇を眺めていることが多いのでした。 でも、よく見ると真っ黒でもないのでした。 闇の中で小さな、小さな粒のような光点が見えます。 僕はそれを見るのがとても好きだった。 闇夜に浮かぶ光る点たちがとても幻想的で、それは最近観測し始めた異世界に伝え聞く“蛍”という個体を連想させた。 ああ、一度でいいから蛍を生で見てみたい。
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