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『木から木へ』
疾走感がどんなものだったか
車の窓から手を出して風にさからった
流れ去る景色は 淡いものだった
あいだに透明の何かがあって
けして触れることのできないものだった
まるで今までのたくさんの恋のように
疾走感がどんなものだったか
今でもわからない
とても楽しいものだったような気がするけど
木から木へ
街から街へ
人から人へ
僕たちの心は走る
うまく伝えることなんかできない
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