第二章

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目を瞑ったまま、俺は何もない空間を彷徨っていた。真っ暗で何も感じない。このままこの空間に溶けて行きそうだ。 やはり無理だったのか そう諦めそうになったその時、閻魔と会った空間のように眩しい白が俺を覆い、目を覚ましたのだった。 意識は覚醒したものの、急な明るさに目が慣れず、中々瞼を上げることができない。 そうして数分がたったころようやく目を開くことができたのだった。 俺は一本の木に寄りかかる様に座ったまま辺りを見回す。そこは小高い丘のようだった。 丘の頂上には俺が寄りかかっている木が一本あるだけであたりには平原が広がっている。 明るさにもなれ、意識もはっきりしてきたので動こうとすると、手に何か持っていることに気付き、手を目の前まで上げる。 「紙?」 どうやらもっていたのは羊皮紙だった。 おもむろに折りたたまれた羊皮紙を開けると、そこに書いてあったのは初めてみる文体で書かれた文章だった。にも関わらずすんなりと頭に意味が入ってくる。 『文字や常識で不便しないように送る異世界での基礎知識も能力と一緒に贈りました。 原因は不明ですがその時に私の因子も強く吸収されたため、肉体を生成した際に何か不備があるかもしれません。 何もないことと、あなたの無事を、それからそちらの世界での幸福をお祈りします。閻魔より』 それが手紙の内容だった。 最後まで律儀な神様なことだ。 しかし体の不備とはなんだ? 確かめるため立ち上がろうと地面に手をついた時だ。なにか視界の端に金色の物が重力に揺れ落ちるのが見えた。
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