第二章

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軽くウェーブのかかった細い糸の様な物。それには見覚えがある、あの閻魔の髪の毛だ。 まさかこれが体の不備? 男で金髪ロングウェーブか… 「ハハッ、笑える!」 そう声を出した時、更なる違和感が俺を襲う。 「…高い?」 そう、声が異様に高いのだ。 例えるならそう、若いアイドルの女の子ような声だった。 「待て待て待て待て」 どうやらパニクったとき、同じ言葉を4回繰り返すのが俺の癖だったらしい、だが今はそんなことはいい。 「男でこんな声とか不備すぎんだろ…」 自分から発せられる可愛い声と不釣り合いな言葉使い。 「馬鹿にされること間違い無しじゃねぇか!!」 小高い何も無い丘の頂上、可愛らしい声で叫びながら立ち上がる変態がいた。っていうか俺がいた。 しかしそんな俺の状態を知ってか知らずか、勢いよく立ち上がった際に更なる違和感が俺を襲う。 胸部がなにか引っ張られるような、揺れるような感覚があった。 おいおいおいおい 冗談じゃねえぞ 俺は一瞬で自分の体に起きている事を把握し、確認のために勢いよくズボンの、パンツの中を確かめる。 「不備ところか体の作り丸々変わってんじゃねえか閻魔の野郎!!!」 野郎ではありません!と空耳が聴こえたがどうでもいい。 なぜだ、なぜこうなった。 何故俺はーー 「女になってんだぁぁぁぁ!!!」 またも可愛いらしい声で、1人で叫ぶ怪しい人物の姿が丘の頂上にはあった。お察しの通り俺だった。
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