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俺は異世界人にわざとぶつかりにいった
男2人に女1人…なら女へと狙いを定める
盗れるものならなんでもいい
「わっ!?」
ぶつかった時に素早く何かを掴み、懐へと隠した
どさりと尻餅をつく…フリをする
あくまでも自然に振舞わなければ
「ごめんなさい!!」
「いや、こっちこそごめんね。怪我してない?大丈夫?」
本当に心配そうに尋ねてくる女に良心が痛んだ
「大丈夫」
「よかったー!!」
心から安堵したようにニコリと笑う
ズキリと女の笑顔が心に突き刺さった
その笑顔のまま数秒見つめられたかと思うと、女の手が俺の髪に触れ、わしゃわしゃと撫でられる
「わー、ふわふわっ!!この髪の色はもとから?」
やめろ
俺はお前から盗んだんだぞ
もう少し警戒しろよ
そう、言う事もできず
ただただ困惑してされるがままだった
……いや。本当は女の撫で方が父と似ていて、少し嬉しかった
だからだろうか、ついこの世界のことを教えてしまったのは
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