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「…え?」
「美胡さん?」
2人して、目ぇ真ん丸にしながら、私のこと見るの、辞めてもらえませんか?
そうは思ったものの、それを言うのは心の中だけにしておく。
今は、先に伝えることがある。
「浜谷さんは、月斗さんの親友として、私に牽制しようとしたんですよね?……それ、私は嬉しいです。」
浜谷さんは、は?という顔をしている。
「月斗さんに、そんな事までしてくれる優しい親友がいるなんて、私はスゴく嬉しいです。ありがとうございます。」
そう言って、私は浜谷さんにぺこりとする。
そして、顔を上げると、
「美胡ちゃん!大好き!結婚して!」
浜谷さんが抱きついてきた。
すると、今まで黙っていた月斗さんが、突然、
「全てを5秒以内に前言撤回しろ。じゃないと、東京湾に沈めてやる。」
と、月斗さんが私に抱きついていた浜谷さんを蹴り飛ばす。
蹴り飛ばされた浜谷さんは、私から離れた場所で少し蹲り、うぅ…と呻き声をあげていた。
「そうですか。そんなに沈めてほしいなら、最初から言ってください。今すぐ行きましょう。」
どうやら、5秒以内に撤回しなかった浜谷さんを本当に沈めるつもりらしい。
「まっ…!待って下さい!月斗さん!」
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