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目が本気な月斗さんを、必死で食い止める。
「離してください、美胡さん。コイツ、僕の目の前で美胡さんに抱きついたんです。あり得ません。てか、僕の前じゃなくても、ありえませんが。」
冷静な表情のようだが、かなり怒っている。
そんな怒りを向けられている浜谷さんは、ケケラケラと面白そうに笑っているだけだ。
逃げてください!浜谷さん!
このままじゃ、殺されます!
すると、
「じゃあ、そろそろ俺、帰るわー!」
イライラしている月斗さんに、浜谷さんは、そう言う。
「そうか。じゃあ、今すぐこの店から出て行け。そして、二度と顔を見せるな。」
今までで、最強で最高な辛辣毒舌を浜谷さんに吐く、月斗さん。
どうやらそれがお気に召さなかった浜谷さんは、頬を軽く膨らませ、
「なぁーんか、ムカつくー!」
と言いながら、私に近づいてくる。
……あれ?何だかすっごく笑顔なんですけど?
ニコニコして近づいてくる浜谷さんは、超絶怖い。
絶対何か、裏がある。
そんな危険を察知した私は、地味~に浜谷さんから逃げる。
けれど、
「あ!美胡ちゃん!俺、珍しい時計持ってるんだよね!見る?」
と訊かれ、思わず、
「どれですか?」
と自分から近寄ってしまった。
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