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「うん、似合ってる。」
月斗さんは、着替え終わった私を見て、何度も頷く。
…月斗さんに褒められた!
心の中でガッツポーズをする。
「…可愛い。」
すると月斗さんが私の腰を引き寄せ、私達の距離がぐんっと縮まる。
「美胡…」
月斗さんは、甘く、低い声で『美胡』と囁く。
あまり私の名前を呼び捨てしない月斗さんが、急にそんな風に呼ぶと、心臓がドキドキし過ぎて倒れそうになる。
それをこの人は分かっているのだろうか?
「…月斗さん!お仕事教えて下さい!」
どうしても、まだこういう事に慣れない私は、照れ隠しをしてしまう。
「そんなの後でいいじゃないですか。……店主命令ですよ?」
「こういうのに使うものじゃないですよ、それ。」
「…こういうのって何ですか?」
そうくるか……
最近確信してきたけど、月斗さんは絶対にドSだと思う。
「こういうのって何ですか?美胡さん。」
同じことを、わざわざ二度も聞いてくる必要はあるのだろうか?
……絶対ない。
「美ー胡さん?」
上機嫌な顔で月斗さんは、私の顔を覗いてくる。
「…月斗さん、勘弁して下さい。」
そう言って、私は月斗さんの頬に軽く口付けをする。
月斗さんは、まさか私がそんな事をすると思ってなかったみたいで、ポカーンとした顔だ。
「…朝から誘ってるんですか?」
いつもの月斗さんじゃ見られない月斗さんが居る。
顔がほんのり赤く染まっている。
「…月斗さんが照れてる……!?」
「…うるさいです。」
月斗さんは、仕返しのように私に甘い甘いキスをする。
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