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そして、お互いの唇が離れた時、
「僕を誘うと、こうなりますからね。」
「…以後、気を付けます。」
「気を付けなくてもいいのに。」
月斗さんは残念そうに言う。
そんな時だった。
「あのー、イチャイチャ終わりました?」
いつ入って来たのか、お店の中には見知らぬ男性が居た。
「誰っ!?え?見られた!?」
月斗さんとその人物を交互に見返す。
すると、
「へー!あの月斗の彼女っていうから、どんな変人かと思いきや…メッチャかわいー女の子じゃん!香帆さんがあんなに褒めるのも分かる気がするわぁ~!」
その人は、うんうんと頷きながら、
「月斗ぉ…この子、スゲー欲しいんだけど?」
「寝言は寝て言え。もしくは、そのまま死ね。」
月斗さんからは有り得ない言葉に、私は目を見開いてしまう。
「美胡さん、コイツは不本意ながら学生時代からの旧友なんです。女性だったら誰でも口説こうとする、人間のクズのクズなんです。近寄っちゃダメですよ?」
「…は、はい。わかりました。」
月斗さんにここまで言わせるなんて、そんなにダメな人なんだなぁと感じる。
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