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「ちょいちょいちょいちょい……おかしくない?ねぇ。俺は、月斗の親友のつもりなんだけど?」
「…僕は、お前を友達とも思ったことないよ。」
「……ヒデェ。」
ガックリと肩を落とすその人は、月斗さんと仲が良いのか、悪いのか全く分からない。
だって…月斗さんとは真逆の人間なんだもの。
イマイチ状況が掴めていない私は、その人に名前を尋ねた。
「…あの、お名前なんていうんですか?」
すると、その人は俯かせていた顔をパアッと輝かせて、
「俺!?俺だよね!?俺は浜谷昇(ハマタニノボル)っていうんだよー!よろしくねぇ、美ー胡ちゃん。」
そう言った後、月斗さんに「お前が『美胡ちゃん』なんて呼ぶな。気色悪い…」と毒舌を吐かれていたが。
「…浜谷さんも月斗さんに毒舌吐かれてるんですね。」
私が苦笑いしながら、そう言うと、彼はキョトンとしながら、
「月斗が毒舌吐く人は、月斗にとって信頼できる人なんだよー?だから俺も美胡ちゃんも、月斗に信頼されてるのー!」
「…昇はただ単に鬱陶しいだけですけどね。」
月斗さんから信頼されている……
その言葉だけでも嬉しくなってしまう私は、とてつもなく月斗さんの事が好きなんだろう。
「嬉しいです。」
私は、月斗さんに微笑むと、
「…あれー?なんか抜けてるねー、この子。」
と、浜谷さんに言われてしまった。
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