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グルグルと頭の中でクエスチョンマークが回る。
すると、
「はい。」
永井くんが、自分のハンカチで箸を拭いて、私に渡してくれた。
「え!は、ハンカチ!拭いたの!?」
「え?だって、拭かなきゃ濡れたまんまだし。」
「汚いかもよ!?なのに、拭いたの!?」
「…何回言わせるの。上原のだから、いいって。」
呆れた視線を向けてくるのは、やめて下さい。
永井くんって、色んな意味で不思議くんかも…
「じゃ。」
ポカーンとしている私を他所に、永井くんは来た道も通って、教室に戻ろうとした。
「あ、お礼!」
こちらを振り向きもしない永井くんの背中に、聞こえるように、
「ありがと!永井くん!」
すると、永井くんはくるりと振り向き、私の方に戻ってきた。
「え?え!?」
無表情で歩いて来られると、軽く恐怖が湧く。
そして、ピタッと私の前で止まると、
「……さっき言ってたこと、意味分かる?」
「さっき?」
「そう。」
さっき?あぁ……!!
「『じゃ。』?」
「上原って、アホなの。」
「な!」
冷たい目で見られてる。
「じゃあ何?ていうか、さっきっていつ?」
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