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制服に袖を通し、鏡で全身を確認する。
きゅっと唇を噛みしめて呟く。
「大丈夫、大丈夫」
そう、大丈夫。
ちゃんと、笑えてる。
そっとポケットに手を当ててふくらみを確認する。
希ちゃんのハーフシューズの入った小さなポーチは、私のお守りになっていた。
新学期も始まって、またいつもの日常が戻った。
好きな気持ちをなかったことにはできないから、まだジリジリと焼かれるような痛みからは解放されない。
先生のことを想うだけで、胸一杯に昇華できない気持ちがあふれる。
先生の背中を見つけるだけで、息苦しくなるけど、ごましながらでも歩かなきゃ。
できるだけ、心を鈍く鈍く……。
私は、ーーーーー泣かない。
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