第1章

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びっくりして柴田君の顔を伺うと。 「………知らない人間と一緒より、 俺と行動するほうが少しはましだろ? お前、人見知りだし」 頬杖をついて、仏頂面で黒板を見たままぼそりと呟いた。 「……あり、がと」 返事はなかったけど、それが彼なりの精一杯の励ましってことが分かる。 張りつめていた気持ちが少し、ほぐれた。 ほどなくして解散した会。 一斉に教室から廊下へと人が流れる。 私も柴田君に続き、教室を出ると。 「郁ちゃん!」 「采女。あれ?部活は?」 切迫した表情の采女が私を待っていたようで、両腕を掴む。 「リカちゃんのこと、ちょっと分かったの」 「リカって、佐々木?」 柴田君の言葉に静かに頷く。 夏休み、有弥さんとのことは、采女にも報告していて。 それがきっかけで采女と柴田君3人で過ごすことが多くなった。 「ここじゃ誰が聞いてるか分からないから……」 「うん、どこか外で話そう」
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