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ドカッとあぐらをかいて後ろ手をつく柴田君に、采女が頷く。
「見ていただきたいものがあって」
私たちに冷たい飲み物を配り終えると、ローテーブルの上にノートパソコンを置き、起動させた。
「手がかりがないかと思って、別の高校に行った中学の同級生に聞いて回ったの。
『3年生にバンドやってる健太さんと有弥さんっていない?』って」
「そしたら!?」
テーブルに身を乗り出して先を急ぐ柴田君。
「二人とも明新高校だったわ」
「へぇ………1年生でも知ってるなんて、有名人なんだね」
「それが、違うのよ」
形のいい唇を噛みしめて声のトーンが下がる采女に心拍数があがる。
「全然目立つタイプじゃなかったそうなんだけど、6月くらいから急に持ち物が派手になって髪の毛染めたり、ピアスあけたり………。
学校でトラブル起こすようになったそうよ」
あの日の不快なほどギラギラした有弥さんを思い出して、納得する。
「うん、私も最初に会ったときとあまりにも印象が違って、言葉が出なかった」
「トラブルっていうのも、いきなり奇声あげて走るとか、教室の窓から机投げ捨てるみたいな……。
別の意味で怖い感じだったんだって」
「あー……確かに。
俺もクスリやってんのかなって思うくらい、気持ちわりーテンションだったなぁ」
柴田君が背伸びをしながら、あのときの印象を語った。
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