紡ぐ者

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「今日はソファーで寝るから」 シャワーを浴び、カップ付きタンクトップとショートパンツのパジャマ代わりに着替えるとソファーに横になった けど、藤堂君は 「じゃぁ俺も」 と、嬉しそうに布団を引きずってきたので 「病み上がりが何言ってんの!!」 とベッドにくくり着けた が…ソファーに戻るや否や藤堂君がまた布団を引きずってきた それも指をくわえた子どものように 「何もしないから…一緒に寝たい」 上目遣いの捨てられた子犬の様な瞳に私は一瞬で折れてしまった 「いいよ…」 藤堂君は天性で母性本能をくすぐるのを忘れていた 思わずよしよし…と頭を撫でたくなってしまう 甘いなぁ私も ソファーに敷いたタオルケットを静々畳み、藤堂君と寝室へ向かった
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