紡ぐ者

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「雪野さん、大丈夫ですか?何でも熱中症って…」 いつもの時間に出社していた滝本君が斜め前から顔を出した 「あっ…うん…ちょっとね…休み中電気代ケチって扇風機生活してたらちょっと目眩がして…」 「そこは自分の命を大切にして下さい!!」 「うっ…うん」 滝本君の勢いに押されるように頷いた 言っている事は最も、私も同じ事を藤堂君に思った 私より自分の体を大切にして!!…って まぁ…無事だったから言える事だけど 斜め前を見ると 「今日は無理をしないで下さいね」 と、むすっとした滝本君がいた 私が目を反らすと同時に 「本当にどれだけ心配したか」 ぼそっと聞こえたのは気の性かもしれない
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