紡ぐ者

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「何か飲む?冷えた緑茶あるけど…それか、もう一杯飲む?」 キッチンに立ちながら藤堂君が楽し気に話して来た 「じゃぁ…緑茶、お願いします」 きっと藤堂君はこの後待っている事など気づきもしていないのだろう グラスの中に冷えた緑茶が入れられると、テーブルの上に運ばれた 「カラン…」 と…氷が崩れる音が静かな部屋に響いた 「どうかした?浮かない顔して」 藤堂君は深くソファーに腰かけると、穏やかに聞いて来た 「おっちゃんのとこにいる時からずっとそんな顔してる」 表情には出ないようにしていたのに… 藤堂君にもお見通しって訳だね 嘘も、誤魔化しも…何も通じないや 私は力なく笑った 「話があるんだろ?何でもいいから話してみろよ」 藤堂君は変わらず穏やかに私を見つめていた 逃げていたってしょうがない、話すためにここへ来たんだから 私は深呼吸すると口を開いた 「聞いてくれる?」
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